物価高が生活を直撃している。さまざまなモノやサービスが値上げされる中、かつては「安い」イメージがあったブランドでも、もはやその感覚が通用しない現実がある。その一つがファストファッションブランド「GU(ジーユー)」だ。ファーストリテイリング傘下で、ユニクロよりも低価格志向のブランドとして支持を集めてきたが、最近では、「ユニクロが“高級化”して、今のGUが昔のユニクロのような位置づけ」だという声も出ている。GU愛用者たちは、価格の変化をどう捉えているのか、本音を聞いた。
「GUだよね?」と驚くものが増えた
IT企業勤務の30代女性・Aさんは、「GUがユニクロレベルの価格になった」と嘆く。
「GUは、常識を覆すほど安くファッションを楽しめるという位置づけでした。学生のころ、GUの『990円ジーンズ』(2009年発売)が話題になって以来、GUは激安という認識で来ました。でも今、GUのジーンズは約3000円……。もはや昔のユニクロの価格です。ユニクロが“高級品レベル”になったので、GUはすっかり昔のユニクロのポジションにスライドした感があります」
「990円ジーンズ」の衝撃から15年、Aさんは思わず『GUだよね?』と驚くものが増えたという。
「GUは昔よりプラス500円から1000円高くなった気がします。インナーや靴下などはまだしも、アウターやパンツは昔のユニクロ感が強くて、『ここGUだよね?』と言ってしまうほど。個人的には、特にルームウェアの価格がショックでした。ユニクロで久しぶりにルームウェアを買いに行ったら、3990円。近くのGUの売り場では2990円でしたが、この価格こそ、私の中のユニクロ価格。自分が物価の上昇に追い付いていないだけなんですけど、やっぱりショックです」(Aさん)