たかがゲームと侮るなかれ──。パチンコホール向け設備機器のダイコク電機が、ギャンブル依存症の危険性を学ぶとともに、プレイヤーの依存度をチェックするゲーム『賢者のおしえ』を11月10日にリリースした。同社が2022年4月にリリースした『チェッパチ』に続く、ギャンブル依存症対策ゲーム第2弾で、スマホやパソコンのブラウザで無料でプレイできる。
冒険者である主人公を操作して、かつて一緒にダンジョンを探索した相棒のローラをギャンブル依存の危機から救い出すという内容のこのゲーム。パチンコやパチスロなどのギャンブルを嗜むマネーポストの記者・A(40代男性)が、この『賢者のおしえ』を実際にプレイしてみた。
カジノで負けて激昂する深刻な姿
選択肢を選んで行動を決めていく『賢者のおしえ』の主人公は、ローラと会話をしながら、ギャンブル依存の道へと進んでいく彼女を軌道修正する。その途中では、賢者が登場し、正しい道への導き方についてアドバイスする。また、主人公はローラを救う一方で、食費や家賃のために仕事をしてお金を稼ぐ必要がある。お金を増やすためにカジノで勝負をすることもできる。
このゲームで注目すべきは、ギャンブルにハマっていくローラの言動だ。オープニングの時点でカジノで大負けし、「裏でいじってるんじゃないでしょうね!!!」と激昂するなど、かなり深刻な姿をあらわにする。ほかにも、莫大な借金を返済するには「普通に働いてたら間に合わないでしょ?」とカジノに通うなど、ギャンブル依存で悪循環に陥っている様子が見事に描かれている。
そんなローラを依存症から脱却させるべく、どうにかこうにか説得する主人公だが、それがなかなか上手くいかない。自暴自棄になっている人を軌道修正するのは、こんなに難しいのかと実感させられる。
前述の通り主人公は食費と家賃を捻出すべく仕事にも励むのだが、決して高い賃金がもらえるわけではないという厳しい現実もある。それならばと、カジノに行って所持金を増やそうとしてみたが、当然そんなに甘いものではない。
ゲーム内では所持金を賭けてルーレットをプレイできるが、ギャンブル依存症の恐ろしさを教えるためのゲームということもあってか、これが全然当たらないのだ! 記者Aは、このルーレットで大きな勝負に出た結果、所持金を大幅に減らしてしまう。結局、食費と家賃を支払うことができず、ゲームオーバーとなってしまった。
最終的に賢者が登場し、プレイヤーのギャンブル依存症をチェック。さらに、依存症対策のためのおしえを得ることができる。