投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月18日~11月22日の動きを振り返りつつ、11月25日~11月29日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で359.06円安(-0.93%)の38283.85円と下落。決算発表が一巡したことや、トランプ次期政権に絡んだ思惑先行のトレードが一服し貿易摩擦などネガティブなイメージが意識されたことなどから、プライム市場の売買代金は週を通して4兆円を割り込み商いは減少。日経平均の週間値幅は、600円ほどに留まるなど値幅が狭く方向感に乏しい展開となった。個別では、ソニーグループ<6758>がKADOKAWA<9468>を買収検討と伝わったことからKADOKAWAが急騰し上場来高値を更新。材料が出た銘柄への物色は見られたが、全体に波及するような強い動きは観測されなかった。
なお、11月第2週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1355億円買い越したほか、TOPIX先物を520億円売り越し、225先物は33億円買い越したことから、合計868億円の買い越しとなった。一方、個人投資家は現物を211億円買い越すなど合計で991億円買い越し。なお、自己は現物を3005億円売り越し、事業法人は現物を3114億円買い越しており20週連続での買い越しとなった。
日経平均は75日移動平均線と200日移動平均線の狭いレンジ内で推移している。サポートラインとして75日移動平均線が機能していることから、下値は固いが、200日移動平均線が意識されて上値は重い。今週は27日が11月の権利取り最終日となるが、11月の権利取り銘柄は約30銘柄しかないため、個人投資家による積極的な権利取りの売買は期待しにくい。
国内、海外ともに重要イベント等は予定されていないことから、今週も先週同様、手掛かり材料難で薄商いの展開が続きそうだ。為替市場も、米金利の上昇傾向が一服したことでドル独歩高の展開は一服。短期的な投資資金は、史上最高値を連日で更新しているビットコインなど暗号資産市場に向かっており、株式市場、為替市場ともにボラティリティに欠ける相場が続きそうだ。