投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月25日~11月29日の動きを振り返りつつ、12月2日~12月6日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で75.82円安(-0.20%)の38208.03円と小幅下落。米国では12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が強まった一方、日本銀行による12月金融政策決定会合での利上げ観測が強まったことから、日米金利差縮小が意識されて、為替は約一カ月ぶりに1ドル149円台に突入。
NYダウが連日で史上最高値を更新するなど米国株は強かったが、円高ドル安が嫌気されてトヨタ自<7203>など輸出関連銘柄が売られたことから、週初に一時39000円を回復した日経平均は下落し、38000円台を割り込む弱い動きが何度も見られた。週末にかけては、米国市場が感謝祭及びブラックフライデーに伴う休場や短縮取引などで参加者が減少したことから、29日のプライム市場の売買代金は4兆円を大きく割り込んだ。
なお、11月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を3532億円売り越したほか、TOPIX先物を248億円売り越し、225先物は618億円売り越したことから、合計4398億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を2029億円買い越すなど合計で2171億円買い越し。なお、事報は現物を2335億円買い越しており、21週連続で買い越した。
29日の日経平均は75日移動平均線(38207円水準)を意識した展開となり、終値はほぼ同じ水準となった。25日移動平均線や200日移動平均線は上に位置しており、75日移動平均線より下は目立ったサポートラインが存在しないことから、一般的なテクニカルでは、この水準を割り込むと「調整局面入りで下値模索に警戒」といった流れになる。
ただ、先週は幾度も75日移動平均線を下回り37000円台に突入しても、終値では38000円を維持し続けた。輸出関連銘柄は総じて軟調だが、日銀による12月利上げ観測が強まったことから、メガバンクや地銀、保険など金融株が買われたことが一定の下支えとなった。28日に「米国政府による対中半導体規制が従来よりも踏み込まない」と伝わったことで東京エレクトロン<8035>が買われ、NT倍率は一時14.33倍まで拡大したが、週末は時価総額が大きいメガバンク上昇でTOPIX優勢となり14.2倍台まで縮小。
12月18-19日に開催される日銀金融政策決定会合までは、利上げ観測を材料に金融株は買われやすい一方、円高進行が重しとなり輸出関連銘柄は弱い綱引きの展開が続きそうだ。今週の日経平均は、38000円から75日移動平均線水準を中心帯とした狭いレンジ推移となろう。