閉じる ×
マネー
夫婦の老後「失敗しない準備」

「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」それぞれのメリットとリスクを解説 遺言書は定年退職のタイミングで作成し、5年ごとに見直すのがお勧め

「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」では何が違うか(写真:イメージマート)

「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」では何が違うか(写真:イメージマート)

 夫婦で幸せな老後を迎えるための準備で重要なのが、「何をいつやるか」というタイミングである。“終活博士”として知られる行政書士で終活アドバイザーの松尾拓也氏にアドバイスをもらった。

 松尾氏は行政書士のほかファイナンシャルプランナーやお墓ディレクター1級、相続診断士など多数の資格を持つ終活博士。昨年6月に上梓した著書『「おふたりさまの老後」は準備が10割』(東洋経済新報社)が版を重ねてベストセラーとなっている。

 終活で欠かせないのが遺言書の作成だ。遺言書は人生の最晩年にまとめるイメージだが、松尾氏の意見は違う。

「定年退職をしたタイミングで遺言書を作成しましょう。60歳、65歳と人により定年退職の年齢は異なりますが、退職金を受け取り固定の給与が発生しなくなった段階で今後の資産が見通せるようになる。“早いのでは”と思われるかもしれませんが、リタイア時点で一度作成しておくと、これからの家族や子供との関わり方が見えてくる。

 まず退職時に作成して、その後は5年ごとなど定期的に見直すことをお勧めします」(松尾氏。以下「 」内同じ)

 遺言書には本人自筆の「自筆証書遺言」と、公証役場で作成する「公正証書遺言」がある。

 自筆証書遺言は自分で書くため費用が掛からず、考え方が変われば何度も作成できるメリットがあるが最低限押さえるべきポイントがある。

「全文を自筆で書き、名前と日付を入れて押印するなどの決まった書式があります。1つでも不備があると無効になり、自分で保管すれば紛失や偽造のリスクもある。一方で本人の意思を確認したうえで専門家が作成する公正証書遺言はそういったリスクが大きく減ります」

次のページ:効力は一代まで

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。