たった一場所で大きな差がついてしまった。ともに大関だった琴櫻と豊昇龍が“ダブル綱取り”に挑んだ1月場所だったが、終わってみれば優勝決定巴戦を制した豊昇龍が第74代横綱に昇進し、琴櫻は5勝10敗と大きく負け越して来場所をカド番で迎えることになる。この結果により、2人の“待遇”に明確な違いが生じることになる。
初日は白星発進した2人だったが、その後の14日間で明暗がくっきりと分かれた。昨年11月場所の覇者・琴櫻は2日目に早くも土がつくと、そこからまさかの5連敗を喫して早々に優勝争いから脱落。後半も立て直すことができず13日目に負け越しが決定した。
一方の豊昇龍も5日目に平幕の熱海富士に敗れ、中日と9日目は同じく平幕の正代、平戸海に連敗して終盤戦を前に3敗。一度は綱取りが消えかけたが、10日目から白星を重ねて3敗で踏みとどまると、千秋楽の本割で勝てば優勝の金峰山が王鵬に敗れて3人が3敗で並んだ。
優勝決定巴戦では豊昇龍が連勝して逆転優勝。審判部が臨時理事会の開催を八角理事長(元横綱・北勝海)に要請し、横綱審議委員会での審議を経て理事会で横綱昇進が決定した。10日目から6連勝した豊昇龍は横綱に昇進し、10日目から2勝4敗の琴櫻はカド番として3月場所を迎える。
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