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【AIと著作権問題】生成AIが急速に進化するなかで“声優の声”を法的に守る手段はあるのか? 「パブリシティ権で保護すべき」弁護士の見解

AI時代に“声優の声”を法的に保護する手段は(イメージ)

AI時代に“声優の声”を法的に保護する手段は(イメージ)

 生成AIの学習データなどで声優の“声”を無断利用することが問題視されている。声優の声は、法的にどこまで守られるのだろうか。実際の法律相談に回答する形で弁護士の竹下正己氏が解説する。

【質問】
 私はアニメ・ファンです。気になるのは、声優の“声”が勝手に生成AIで作られ、商業的に使用されてしまうこと。事実、その懸念を声優さんたちが会見を開き、強く訴えています。なにせ諸外国で認められている声の著作権が、日本では曖昧なまま。早急に彼らの声を守る法整備が必要ではないでしょうか。

【回答】
 生成AIとは、大量の音声データを学習し、あるキャラクターの特定の状況下で頻度の高い声の特徴を拾い出して、状況の変化に対応しながら組み合わせ、相応しいとされる声を作成するもの。

 つまり、声優の声と、声が使われる場面が学習のデータになります。声優が声で表現するセリフは著作物になりえますが、声自体は思想、又は感情を創作的に表現しないので、著作物にはなりません。

 しかし、声優は実演家として著作隣接権で保護され、一定の場合を除き、実演を録音する権利を専有し、学習するために録音するには、本来声優の許可が必要です。

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