東京23区内では一人暮らし用物件の家賃もどんどん値上がりしている(写真:イメージマート)
都心部の地価高騰に伴い、当然のように賃貸物件の家賃も上がっている。不動産情報サイト『ライフル』によれば、東京23区のシングル向き賃貸物件の平均賃料は10万1232円(2024年3月期)で、ついに10万円を上回った。マネーポストWEBでは過去に
《山手線の内側で家賃7万円台、もっとも安い駅はここ!》
《東京23区内で『家賃相場6万円台』の駅はいくつある? 最安の駅は?》
といった記事を紹介してきたが、物価上昇圧力が強まるなかで、23区内で家賃が最も安い駅はどこなのか? 狙い目の穴場は? ライターの金子則男氏がレポートする。
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私が《東京23区内で『家賃6万円台』の駅はいくつある?》という記事を書いたのが2020年のこと。それから5年で、いよいよ東京は若者や経済力が乏しい者には住みにくい街になりました。2020年時点では、ワンルーム・1K・1DKの家賃相場が6万円台の駅は23区内に約50駅あり、その中には5万円台の駅も含まれていましたが、5万円台の駅は消滅。2025年3月6日時点で6万円台(ライフルホームズ調べ)の駅は23区内に20駅で、もはや絶滅間近です。
若者に人気が高い城南、城西方面の注目路線は西武新宿線と東急世田谷線です。西武新宿線の上井草は23区内で2番目に安い6.28万円で、隣駅の上石神井も6.78万円。上石神井なら急行も停まります。一方、東急世田谷線は3駅(宮の坂、山下、松原)が6万円台。この他、小田急線の喜多見、京王井の頭線の久我山、西武池袋線の練馬高野台も6万円台です。
要注意なのは、東急田園都市線の二子玉川が6万円台だということです。二子玉川といえば都内屈指の“住みたい街”で、富裕層が多く住まうセレブタウン。うっかり騙されてしまいそうですが、掲載物件をチェックすると、明らかに二子玉川が最寄り駅ではないものが大半で、中には「徒歩36分」「二子玉川駅 4km」という物件もありました。こういった物件が家賃相場を押し下げているのは明白で、二子玉川は候補から除外したほうがいいでしょう。