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住まい・不動産

住宅ローンを退職金で繰り上げ返済した60代男性の後悔 「定年後にがんになったけど団信のがん特約はもう使えない。退職金もなくなり今後の医療費が不安」

住宅ローンを焦って繰り上げ返済する落とし穴とは(イメージ)

住宅ローンを焦って繰り上げ返済する落とし穴とは(イメージ)

 3大メガバンクをはじめとする大手銀行5行は、4月1日に変動型住宅ローン金利を0.25%引き上げた。変動金利を0.345%から0.595%に引き上げた三菱UFJ銀行を例にとると、3000万円を元利均等返済で借りている人は毎月の返済額が3303円上がることになる。住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」を運営するMFS取締役で住宅ローンアナリストの塩澤崇氏が指摘する。

「今回の引き上げは今年1月の日本銀行の追加利上げを反映したものです。実際の住宅ローン返済にこの金利が適用されるのは7月になります」

 住宅ローンは返済期間中の金利が一律の「固定金利」と、市場金利の上昇などに伴って半年に一度見直される「変動金利」に大別される。変動金利を選ぶ人は8割に達するとされ、「低金利だから」と住宅購入時に変動金利を選んだ多くの人にとって金利の変動は今後の資産設計に大きな影響を与えかねない。

「影響を受けるのは現役世代ばかりではありません。定年後の世代もこの金利上昇には注意が必要です」(塩澤氏)

 住宅金融支援機構の統計によれば、ローンの完済年齢は平均73~78歳。多くの人にとって、定年後も10年以上にわたってローン返済は続くのだ。「40歳で35年ローンを組んだら完済するのは75歳です。リタイア後も変動金利の上昇によって負担額が増えると想定して、対策を練る必要があります」(同前)

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