高齢ドライバーによる事故は、75才を境に増加している(グラフ参照)。だが、当の高齢ドライバーは、自分の運転に自信を持っている人が多い。
『MS&ADインターリスク総研』が、2017年に行ったアンケートによると、運転に自信を持つドライバーの割合は65才から急カーブを描いて上昇し、80才以上では72%が『運転に自信あり』と回答している。そこには、実際の運転技術と自己認識にギャップのあるドライバーが少なからずいると思われる。
そうしたなか、ドライブレコーダー(以下、ドラレコ)を通じた各種サービスが注目されている。これらは保険会社が行っているもので、自動車保険の特約として『ドラレコ付き自動車保険』というオプションを付けると、契約者にドラレコ本体が貸与され、各種サービスを受けられるというものだ。
その1つが、事故発生時、自動的に保険会社へ報告がいき、事故前後の映像が転送され、オペレーターがサポートしてくれる、というサービスだ。
その流れを大まかに説明すると、次のようになる(詳細は契約内容によって異なる場合がある)。
【1】車内の大きな衝撃を検知すると、ドラレコが自動的にコールセンターへ通知する。
【2】専任のオペレーターがドラレコを通じて安否確認をする。
【3】オペレーターが、事故直後の初期対応に必要なアドバイスや車のレッカーけん引・搬送の手配等もサポートする。
【4】ドライバーからの応答がない等の切迫した事態に陥っている時は、オペレーターが消防などへ連絡をしてくれる。
また、社によっては、現場に救急車が到着するまでドライバーへの声かけを続け、メンタルケアを行ってくれたり、事故発生時、家族にメッセージを送ったり、要請に応じて警備会社・ALSOKのガードマンが全国2400の拠点から24時間駆けつけ、事故時の初期対応をサポートするサービスもある。