国や自治体には、一定の条件を満たせば受け取れる様々な補助があるが、その多くは自ら申請しなければもらえない。主なものを別掲の表にまとめたが、これらを見逃すと「本当は払わずに済むお金」を払っていることになる。ファイナンシャルプランナーの日野秀規氏が解説する。
「公的補助が多く設定されているのが介護関連です。要介護者だけでなく、介護を担う家族まで多岐にわたる補助が受けられます。『高額介護サービス費』では、1か月の自己負担額が、所得に応じた上限額を超えると還付金が出ます。
また、自治体によっては、認知症の高齢者のために携帯電話の位置情報サービスなどを利用する際、導入の初期費用の補助が受けられる『徘徊高齢者位置情報サービス利用費補助』を設けているところがある」
自宅介護の場合、バリアフリー化のリフォームの際に「介護保険における住宅改修」で最大18万円の補助が受けられるといった制度もある。
「多くは市区町村の介護保険窓口で説明を受けられます。補助を受ける上で病気の認定が必要など、複雑な制度もあるので社労士に相談してみるのもいいでしょう」(日野氏)
バリアフリー化に限らず、水光熱費の圧縮につながるリフォームでも、補助が受けられることがある。耐震性や省エネ性に優れた住宅へ改修する場合の「長期優良住宅化リフォーム補助金」では、工事内容によるが、最大で工事費の3分の1、上限300万円が支給される。