富裕層が多く住む、東京・港区の麻布界隈。ここでは「麻布妻」と呼ばれる女性たちが暮らしているが、中には夫婦生活がうまくいかず、離婚するケースもある。そうして高収入男性に養ってもらう生活から自立しようとする女性には、多くの男性がアプローチしてくるという。ライターの高木希美氏が、その実例をリポートする。
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元・麻布妻のユミさんは最近シングルマザーになりました。3年別居して、麻布のマンションと親権をもらっての離婚です。離婚理由は「価値観の不一致」。
自分の都合にいつでも合わせられる「従順な専業主婦」を求めていたご主人と折り合いがつかなくなったそうです。
「子供が生まれてしばらくは専業主婦していたんですけど、夫は基本的に自分の予定を最優先。当日や前日に『今日は夕飯いらない、飲みだから』『ちょっと明日ゴルフだから』って言うんです。で、『お前は子供と遊んでればいいじゃん』って。
でも、子供も3~4歳くらいになると、ずっと1対1だと疲れるし、ママ友と連れ出って子供同士を遊ばせたほうが精神衛生上いいんです。だから私も予定を立てたくて、あらかじめ『この日はママ友と子供を公園に連れて出かけるね』なんて言うと、またたくまに不機嫌になるんです」(ユミさん)
妻の予定に合わせるのは嫌、自分の予定にはすべて合わせて当然──そんな夫に愛想を尽かしたそうです。もともと仕事は好きだったユミさん。独身のころ働いていた、百貨店関係の仕事に戻りました。
そんなユミさん、「バツイチがモテるって本当です」と言います。「子供がいるし、再婚する気はゼロ」だそうですが、次々に仕事で出会う男性たちがアプローチしてくるとのこと。
ユミさんは深田恭子系の美人で、ママにも見えないし、離婚してさらに垢抜けました。「でね、私みたいなバツイチに言い寄る男って大体3パターンだって見つけちゃった」と言います。
パターン1 「今でも妻を愛してる」と言うエセ一途オトコ
「え? 子供いるのになんで離婚しちゃったの?」が第一声。
そして、「いや~、旦那さん甲斐性がないよね。子供かわいいし、俺今でも奥さん抱いてるよ?」「それは男の義務じゃん」「男なら家族は守らなきゃ」「妻のことは一生大好きって決めて結婚してるからさ」と、自分の優位性を別れた夫と比較して「愛妻家いいパパ」をアピールしながら口説いてくるパターン。
不倫したときのことを勝手に妄想して「奥さんのことは愛している」と泥沼化しないよう予防線を張っているのかもしれませんが、そのくせ「弱っているユミちゃんの力になってあげたい」などと気持ち悪い迫り方をしてくるのです。