余分なモノを持たず、シンプルな生活を目指す「ミニマリスト」。ライフスタイルとして“持たない生活”を実践する人たちだが、それも行き過ぎると、他人に思わぬ影響をもたらすこともあるようだ。
30代男性会社員・Aさんは、現在同棲中の恋人が、ミニマリスト生活を始めたことで、別れることを考えているという。
「彼女はもともと、片づけにはだらしなかったタイプ。それだけにモノが少ない生活に憧れがあったようです。そういう側面もあってか、片づけにハマり始めると、どんどんエスカレートしていきました。自分のモノを処分するのはいいとして、家具や家電といった共有物、僕のモノにまで手を出し始めて、困っています」
Aさんによると、ソファやテーブルがなくなった頃から、居心地が悪い部屋になってしまったという。それだけならまだしも、さらなる実害がAさんを襲った。
「服装を指定されるようになりました。“白Tシャツと黒のパンツで十分”みたいな感じで……。最初はコーディネートを考えなくていいのでラクだと思っていましたが、やはり飽きますし、職場の同僚や友人に『ミニマリスト?』と茶化される始末。僕のコレクションしているフィギュアも、知らない間にメルカリで売られそうになりました。勘弁してほしいです」(Aさん)
そんなAさんの恋人は、口癖のように「モノから解放されれば幸せに近づく」などと言い、片づけやミニマリスト関連書籍だけは増え続けている。Aさんは、だんだん「気味の悪さ」を感じるようになったと明かす。