1年の計は新春にあり。2020年は年金・医療から、相続や税制、教育、電力再編まで様々な制度改正が予定されている。各分野のルール変更を横断的に把握し、事前に備えることで、家計のプラス・マイナスが大きく違ってくる。ここでは、2020年下半期の各種制度改正について紹介しよう。
今年後半の新制度の目玉は、マイナンバーカードを持っている人がキャッシュレス決済を行なうと25%ポイントが還元される「マイナンバーポイント制度」だ(9月実施)。還元率が高いため、制度スタート直前に申請が殺到することが予想される。
だが、今でも申請から交付まで1か月ほどかかるうえ、自治体の担当職員数が少ない。そのため、「一時期に申請が殺到すると、事務処理が追いつかずに、交付まで半年以上かかるケースも考えられる」(自治体職員)と心配している。
ポイント還元期間は9月から7か月間の予定であり、カードを手にしたときには制度が終わっていたという事態もありうる。マイナンバーポイント制度の利用を考えるなら、すぐに申請手続きを始めたほうが賢明だ。
三菱UFJ銀行が検討中の未利用の銀行口座からの管理手数料は、りそな銀行では2004年から導入している。2年以上金銭の出入りがなく、残高1万円未満の口座から年間1320円の手数料を引き落とし、残高ゼロになれば自動解約になる仕組みだ。全国の信用金庫でも今年1月から導入する。
たとえ残高が数千円でも、今後、利用する予定のない口座があれば、手数料を取られる前に預金を全額引き出したほうがいい。
「“気をつけること”カレンダー」から制度の導入や廃止時期を知れば、先手先手で申請などの手続きを行ない、今年もらえる補助やポイントのもらい損ねを防ぎ、確実に得することができるはずだ。
※週刊ポスト2020年1月17・24日号