世界最高齢のアプリ開発者として注目されている女性がいる。現在84才の“マーチャン”こと若宮正子さん(84才)だ。
若宮さんは81才で雛人形を壇上に正しく配置するゲームアプリ『hinadan』を開発し、アップルCEOティム・クック氏から世界最高齢のアプリ開発者と称賛されて一躍有名に。翌年には国連総会で“高齢化社会とデジタル技術の活用”をテーマに基調講演。毎年出掛ける海外ひとり旅をブログやSNSでレポートするなど、超多忙。
それでもつい夢中になるのが自ら考案したエクセルアートだ。表計算ソフト・エクセルの罫線や塗りつぶし機能を使ってデザインし、布地や小物にプリントする。
「とにかく楽しい! 題材は至るところにあって、地方の駅の待合室の座布団の柄を見ても、素敵! エクセルアートに…と思ってしまう(笑い)。手芸はやらなくても夢中になる、高齢女性向きかも」(若宮さん・以下同)
クリエイティブなことが何よりボケ防止になるという若宮さん。脳トレより自分でゲームアプリやエクセルアートを作る方がおすすめだ。
「私は新しもの好きでデジタルの世界がおもしろくてしかたがないの。だから勇気も原動力もいらない。でも私も含めこれから要介護になる人は、なんらかの形でITやAIなどのお世話になるから、今からよく知って友達になっておくといいですね。
パソコンやスマホには体が多少不自由でも使いやすい機能があるし、家電を音声で操作するAIスピーカーなどは寝たきりになっても強い味方。操作に手間取っても文句や意地悪も言わずに、従ってくれます。彼らとうまくつきあうことで自立に役立つのです」
若宮さんは高齢者がデジタルの力を借りて長く自立できるよう、自治体へのデジタル技術者の配置、高齢者施設のネット環境の整備などを国に働きかけているという。
※女性セブン2020年2月20日号