東京五輪の経済波及効果は約32兆円に上るとの試算もある(東京都オリンピック・パラリンピック準備局)。それだけにオリンピックイヤーは投資家にとっても千載一遇のビッグチャンス。波に乗るためには「銘柄選び」と「タイミング」が重要だ。
五輪が経済効果を底上げする大きな要因のひとつとして「訪日観光客の増加」が挙げられる。
JTBは2020年の訪日外国人旅行者数が前年比7.9%増で過去最高の3430万人になると予測。国内外から観光客が押し寄せ、インターネットにアクセスする人が増える中、特に注目されるのが次世代通信規格「5G」だ。通信速度は現在の10倍以上となり、2時間の映画もわずか3秒ほどでダウンロードできるようになるという。今年3月から実用化開始予定のため、それまでが仕込み時との指摘は多い。
マーケットアナリストでケイ・アセット代表の平野憲一氏が指摘する。
「通信関連のシステム構築やセキュリティに強みを持つアドソル日進(3837)や、5G技術に必須の精密部品を手がける鈴木(6785)、精密機器の検査装置を手がけるインスペック(6656)などは注目銘柄です」
宿泊予約サイト、英会話
ただし、気になるのは新型肺炎の感染拡大によるインバウンド需要の落ち込みである。しかし、「そんな今だからこそ観光業界の銘柄は仕込み時です」と語るのは、投資情報サービス・カブ知恵代表の藤井英敏氏だ。
「新型肺炎の影響で株価が一時的に下がっていますが、2月中のタイミングで仕込んでおけば、終息後に果実を得られる期待は十分ある。五輪が近づけば東京だけでなく日本全国で観光需要が増えると予想できるので、箱根小涌園やホテル椿山荘東京、ワシントンホテルなど幅広く展開する藤田観光(9722)、日本を代表する名門ホテルの帝国ホテル(9708)や、宿泊予約サイト『一休』を子会社に持つZホールディングス(4689)は要注目です」