全国にスーパーの倍を行く数が存在するコンビニエンスストア。いまや、高齢者の食をつなぐ重要な拠点となっている。
独居世帯が増え、自炊自食しなければならない高齢者にとっては、遠くのスーパーより近くのコンビニ。使わない手はないのだ。
では、高齢者はどのようにコンビニを利用しているのか。東京・世田谷区にあるコンビニでバイトする女子大生(21才)に聞いてみた。
「学生やサラリーマンは、イヤホンをしたまま無言で買っていくような人がほとんどですが、高齢のお客さんは何かしら声をかけてくれるんですよね。先日は70代くらいのおばあさんが、お孫さんと一緒に食べるのに“えびグラタンとほうれん草グラタンとどちらがおいしい? どんな味?”とかなり熱心に聞かれ、おうちでの様子が思い浮かぶようでほほえましかったですね。
それから80代くらいのおじいさんに“テレビで新しいことに挑戦すると長生きできると言っていた。いま流行っている飲み物が欲しい”と言われたんです。とっさに思いつかずにいると、レジに並んでいたおばさんが“タピオカじゃない?”って(笑い)。喜んでタピオカ入りドリンクを買って行かれたけど、お年寄りにもおいしいのか心配していたら、数日後、また同じものを買いに来てくれました。気に入ったみたい(笑い)。
お年寄りはたいてい常連さん。お弁当や総菜、デザートも買われるので、食生活をうちの店に頼ってくれているのだなと思うと、自分の祖母同様に、とっても気になりますね」
※女性セブン2020年3月12日号