新型コロナウイルス対策で自宅待機の生活が続くなか、今まであまり活用してこなかったネットを利用しようと、改めてチャレンジしている人もいるだろう。だが、そこでは事件というほど大げさではないが、それだけになかなか他人には言いづらい失敗が起きやすい。先人の失敗を糧とできるよう、明日は我が身のオッサンによるネット失敗談を紹介する。
定年後、雇用延長で3年間働いてから昨年春に退職したA氏(64・元会社員)。現在は2~3か月に1度のペースで妻と国内旅行に出かけるのを楽しみにしている。
「平日に行けるので、天気の様子を見ながら、当日の朝に宿を予約しても空いていることが多い。しかも、当日だと宿泊費が安くなるケースもあって、すごく得した気分になるんです。行った先で観光スポットや食事処を探すのに便利だから、年明けにはガラケーからスマホに変えました」(A氏)
1月中旬には「暖かいところに行こう」と伊豆への旅行に思い立ち、家を出る前にスマホで旅行サイトを検索。希望に沿う温泉付きの部屋を見つけ、電話番号やメールアドレス、名前などを入力し、無事に予約することができた。
「名所や人気のレストランを検索しながら、妻と伊豆旅行を楽しみ、大満足の1日でした。ところが『そろそろ旅館に行こうか』となった時に、どの宿を予約したのかがわからなくなってしまったんです。予約画面に戻ろうにも、観光スポットを調べてしまったので、ホテルの画面には戻れない。
予約時は自宅パソコンのメールアドレスを入力していたので、スマホでは宿から届いた確認メールも見られない。仕方なく伊豆にあるホテルを検索して、片っ端から電話をかけ、予約していないかどうかを確認しました」(A氏)
実際には「履歴」を見れば予約画面が探せるし、旅行サイトでも予約履歴で確認できたのだが、A氏は、
「その時は半ばパニックになっていて、まったく気が回らなかった」
といって頭を掻いた。予約先に辿り着く頃には、辺りは真っ暗になっていたという。
※週刊ポスト2020年4月17日号