新型コロナウイルスの感染予防から家で過ごす時間が増えたが、それに伴って飲酒量も増えたことを実感している人たちがいる。なかには、やめたくてもやめられず、アルコール依存を懸念する悲痛な声も上がっているほど。背景に何があるのか。
「ゴミを分別しているときに気づきました。明らかにビールなどの空き缶、ウイスキーやワインの空き瓶が増えていて、自分のことながらびっくりしました」
そう飲酒量の増加を語るのは、30代の男性会社員・Aさんだ。以前は、金曜日に同僚と居酒屋に飲みに行く程度で、家で飲むことはほとんどなかった。会社からの帰宅時間が22時頃になるため、飲まずにすぐに寝てしまうことが多かったためだ。だが、在宅勤務を開始してから1か月、気づけば毎日飲むようになっていた。
「18時に仕事が終わり、すぐにつまみを作りながら、まずは軽くビールかチューハイを1缶。それから、つまみを食べながら濃いめのハイボールを作り、3~4杯は軽く飲みます。さらに夜寝る前にも時間があるので、ワインを2杯くらいは飲んでしまいます。これがほぼ毎日になっていました。
翌日は多少寝坊したり2日酔い気味だったりしても、気持ち悪くなりながら頑張って通勤していた時間まるまる眠れるわけだし、職場での人目もない。酒臭くても関係ないし、オンライン会議があったとしても、ビデオ機能をミュートにしておけば問題ありません。結果、飲みすぎてしまうという悪循環です。通勤していた頃は、『明日仕事が早い』など、無意識に明日のことを考えて酒を飲まない、という選択肢をとっていたんだと気づきました。自分の酒量をうまくコントロールできない今、今後が不安です」(Aさん)