いままで多くの人にとって、あまり保有メリットを感じなかったであろう「マイナンバーカード」(個人番号カード)がにわかに注目され始めている。マイナンバーカードがあれば、新型コロナウイルスに関する緊急経済対策の一環として行われる「10万円給付」のオンライン申請を行うことができるため、いま発行申請が相次いでいるのだという。ファイナンシャル・プランナーの清水斐氏がマイナンバーカードを取得するメリットと、その具体的な手順について解説する。
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今年3月時点で、マイナンバーカードの普及率は約15%。まだ持っている人のほうが珍しい状況です。これまでは身分証明証くらいにしか用途がなく、あまりカードを持つメリットを感じられませんでしたが、いま行われている緊急経済対策の「10万円給付」で、新たにカードを申請する人が増えています。オンライン申請によって少しでも早く10万円を受け取りたいと考えているのでしょうが、マイナンバーカードは申請から発行まで1か月程度かかるため、実際には郵送で「10万円給付」を申請するほうが早く現金を手にできるケースも多いでしょう。
しかし、10万円給付のオンライン申請とは関係なく、少しでも時間がある間に、ぜひマイナンバーカードの申請手続きについて知っておいていただきたいと思います。その理由は、この秋から「マイナポイント」が始まるからです。
2020年9月から始まるこの制度は、マイナンバーカードを持つ人が、キャッシュレス決済を紐付けることで、チャージまたは利用する際に、25%分のポイント(上限5000円分)が受け取れるというもの(2021年3月まで)。前述の通り申請からカード発行まで1か月程度かかるため、早めに申請しておいたほうがよいでしょう。
申請方法は意外と簡単。まずはマイナンバーカードの交付申請書(ダウンロード可能)に顔写真を貼り、送付用封筒に入れて郵送する方法。ほかにも、スマホやパソコン、証明写真用写真機からも申請できます。たとえばスマホから申請する場合は、マイナンバーの通知カードについているQRコードから申請用サイトにアクセスし、顔写真を撮影して送ります。パソコンから申請用サイトにアクセスして、デジタルカメラなどで撮影した写真を送ることもできます。