新型コロナの影響で収入が一定程度下がった場合、国民健康保険料や介護保険料、国民年金保険料などが減免されたり、支払いを猶予してもらうことができる。
同じ“保険料”では、生命保険などについても見逃せない。生命保険文化センターの調査によると、生命保険の年間支払い額は一世帯当たり平均38万2000円(平成30年)で、月3万円を超える。自動車、火災などの損害保険の保険料も加わると、家計への負担は決して軽くない。新型コロナによる収入減のなか、解約を検討している人も少なくないが、ファイナンシャルプランナーの福島えみ子氏は、慎重に考えたほうがいいという。
「生命保険は解約した場合、契約は元に戻せません。失効ならば復活もできますが、健康状態の告知や審査が再度必要です。持病が悪化している場合など健康に不安のある人は、不利になることもある」
解約の前に検討したいのは、保険料の支払いの猶予だ。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が説明する。
「特に条件はなく、自己申告でできます。平時なら1か月の猶予ですが、今回の新型コロナの影響を受け、多くの保険会社で9月末まで保険料の支払いを延長できます。損害保険には1年満期で更新する商品が多いですが、更新料の支払いも延長されます」