病院で診察を受ける際、ついついやってしまうのが、時間外の通院だ。深夜などの救急時以外は医療費にそれほど大きな加算はないが、それが積み重なると無視できない負担になってくる。
基本診療料には、時間外の加算料金が細かく設定されており、診療日の18時~8時の営業時間内で500円(3割負担で150円)が、22時~6時の診療時間外の深夜は4800円(3割負担で1440円)がかかる。それほど大きな額ではないため、見過ごしがちだ。
「時間外の受診が思い当たる人は明細書を見直しましょう」と、ファイナンシャルプランナーの小谷晴美氏が提言する。
「仕事が忙しく病院に行くのが夕方以降になってしまう方もいるでしょう。時間外の加算を付けるかどうかは、病院の裁量に任せられています。明細書を見て時間外加算が多いと感じるようなら、病院を変えるか、通院の時間帯を変える努力をしてみましょう」
時間外加算を抑える選択肢として次のような方法もあるという。
「お子さんの具合が悪く、深夜や休日に病院へ行かねばならないというケースが多く見られます。厚労省には『子ども医療電話相談』というシステムがあり、地域によっては24時間体制で医師や看護師が無料で子供の症状をヒアリングしてくれます。これを利用して、適切な対応ができるケースもあります」(前出・小谷氏)
もちろん、医療費の節約よりも健康の維持が重要だ。ただし、「病院に行く」ことが必要かどうか、専門家と相談できる手段は有効活用したい。
※週刊ポスト2020年5月22・29日号