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「お金目当て」で近づいてくる人々に辟易する富裕層女性たち

打算で麻布妻に近づこうとする人もいる(写真はイメージ)

打算で麻布妻に近づこうとする人もいる(写真はイメージ)

 東京・港区の麻布界隈には、“麻布妻”と呼ばれる富裕層女性たちが住む。彼女たちは身なりもきちんとしていて、ブランド品を身につけていることから、一見してお金持ちであることがわかる人も多い。そんな彼女たちには「お金目当て」で近づいてくる人も──。自身も麻布妻でライターの高木希美氏が、その実例をリポートする。

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 凜さん(仮名)は、結婚8年目。そしてモラハラ被害歴は7年目です。結婚当初は優しかった夫が、翌年に子供が産まれてからというもの彼女に冷たく当たるようになりました。麻布妻の中には、一定数、「稼ぎまくる、頭のいい、自分に自信がある夫」からモラハラを受けている人がいます。凜さんもその一人です。酷いときには「お前の生きてる価値、説明してみろよ」となじられるほどでした。

「何度も離婚しようかと思いましたが、娘が『パパ好きだし、ママも好きだよ』なんて言ってくると、どうしようもなくて……。そんなとき、ママ友に“霊視ができる人”を紹介されたんです」(凜さん)

 霊視鑑定の値段は3時間で約6万円。高いですが、「当たるし、すごく楽になれる」というママ友の言葉を聞いて、藁にもすがる思いで行ったそうです。

「モラハラの状況を一通り話すと、“魂の癖”というような話をされて、“僕のところに来るべきタイミングが来たから会えた。久しぶり”と言われたんです。前世から深い仲で、窮地に陥ったときに助け合うと約束して、生まれ変わったからこのタイミングで魂が再会したと……いま聞けば明らかに意味不明なんですけど、そのとき苦しかった私は、むしろ心強く感じてしまいました」

 そこから、「来週セミナーをやるんだ。参加費は4万円だけど、絶対救われるから来てほしい」といった誘いを受けたり、高額なセミナーDVDを買うよう勧められたりしました。さらには、「離婚したほうが良いから生活の自立が必要だろうし、僕のアシスタント職をやったらどうか? それには僕の弟子と面談して、試験に合格してほしい。試験料は15万円かかるけど、合格したら元は取れる」とも言われました。

 ここまでなら単なる怪しい霊視ビジネスに思えますが、あとで周囲の人に聞いたところ、実は提示されたセミナー代や試験料は“お金持ち価格”だったようです。人を見て値段を決めていたようで、その点では“霊視”ができていたのかもしれません。

「最初から、お金を吸い取りやすいと狙われていたんだと思います。それまでに払ったお金は、勉強代として諦めて、スッパリ縁を切りました」(凜さん)

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