病気にかかった時に購入する薬そのものの値段である「薬剤料」は、もらう薬をジェネリック薬(後発医薬品)にすると大幅に軽減できる。
銀座薬局の代表薬剤師・長澤育弘氏が指摘する。
「ジェネリック薬は、特許期間が切れた先発薬と同じ有効成分で作られた後発の医薬品です。薬効成分の研究開発費が不要なため、薬剤料は先発薬の2~7割ほど安くなります。
なかでも高血圧や糖尿病などの生活習慣病は長期にわたって薬を服用する必要があるため、値段が安いジェネリック薬の節約効果が大きくなります」
主な例を別掲表にまとめたが、高血圧に用いる血圧降下剤の代表的な先発薬「ミカルディス錠40mg」の薬価は1錠97円で、ジェネリック薬「テルミサルタン錠40mg」は1錠31.8円。1か月(30日)の服用で単純換算すると、先発薬が2910円、ジェネリック薬が954円となり、約2000円の差。3割負担でも1年に換算すると約7000円の差額が生じる。
コレステロール値を下げる高脂血症用剤の場合、先発薬「クレストール錠2.5mg」が1錠52.8円で、ジェネリック薬「ロスバスタチン錠2.5mg」は1錠18.8円。3割負担で30日換算すると310円の差になる。
この2種類だけでも年間の違いは1万円を超える。長期にわたって服用する人ほど費用面のメリットが大きいわけだ。
※週刊ポスト2020年6月5日号