年齢を重ねるほど薬代がかさむのは、「しょうがないこと」と思い込んでいないだろうか。実は、薬代は「買い方」で大きく変わる。
銀座薬局の代表薬剤師・長澤育弘氏がこう指摘する。
「薬局で支払うお金は薬そのものの代金だけではなく、薬局の機能別の基本料や薬剤師の技術料など、様々な加算が含まれます。薬の買い方次第で、こうした加算の額が変わってきます」
購入時に調剤薬局で請求される料金を「調剤報酬」という。調剤報酬は点数で表わされ、1点=10円で計算される。支払い時に領収書とともに渡される「調剤明細書」(別掲図)の例を参考に、調剤報酬の細かな内訳をチェックしてみよう。
まず調剤報酬には、「(A)調剤技術料」「(B)薬学管理料」「(C)薬剤料」の3つの区分がある。
(A)調剤技術料は、薬局の機能を評価して9~42点(90~420円)を加算する「調剤基本料」と、薬剤師が薬を調剤する技術料の「調剤料」によって構成される。高崎健康福祉大学准教授の木村憲洋氏の解説。
「調剤基本料と調剤料には、ジェネリック薬を多く調剤している薬局で加算される『後発医薬品調剤体制加算』や、早朝や深夜といった時間外の加算など様々な項目があり、それらの点数が積み重なって調剤報酬が増えていきます」