中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

給付金を最大限もらうためにあえて収入を減らす人たちのセコさ

様々な補償制度が発表されている(イメージ)

様々な補償制度が発表されている(イメージ)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国民全員に給付される「10万円」だけでなく、国からは様々な補償制度が発表されている。それはフリーランスの人にとっても同様で、コロナの影響で収入が減った個人事業主は、最大100万円の「持続化給付金」を受け取ることができる(中小企業の場合は最大200万円)。だが、今年でフリーランス20年目のネットニュース編集者・中川淳一郎氏はこれらの給付金をめぐり、「人間のセコさ」を感じているという。

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 私が属する編集業界や広告業界でも、フリーランスで仕事が次々と吹っ飛んだ人が多数いました。SNSでは悲鳴にも似た窮状訴えが出ていますし、直接的に「仕事ください!」という書き込みまでありました。

 そういったフリーランスに対しても国の補償制度はあり、最大100万円の「持続化給付金」を受け取ることができます。私は幸いなことに、コロナでも収入が減っていないので申請せずとも暮らしていけるのですが、当然、生活に困っているなら申請するべきだと思います。ただ、コロナ緊急時ということで、支給要件がゆるくなっている点は気になります。

 今回、休業補償を要求するエンタメ系の重鎮が続々と登場しました。彼らはフリーのあまり稼げていない人々に100万円を出すべきだ、と主張します。しかし、ネットのツッコミを見ると、「そいつらが100万円を稼ぐのに普段は何か月かかるんだ?」というものも見受けられます。

 売れない芸人や役者はバイト月収が12万円ぐらい、なんてことはよくあるわけで、そうした人々にいきなり上限100万円を支払うのはどうか? といった疑問の声も出ているのです。「月収25万円だったフリーランスの月収が10万円になったため申請したところ、100万円もらえた」というニュースに対しても、多数の批判が書き込まれていました。

 まぁ、そこは制度なのでその人物を責めても仕方がないと思うのですが、会社員がこれに対して釈然としない気持ちは理解できます。「なんで15万円月収が減ったら突然4か月分の月収相当分がもらえるの?」と。

「もらえるものならもろとけ」でいいのか?

 さて、今回フリーランスの間で話題となったのは、「今月(4月や5月)もらうはずのお金を来月以降に回してもらえますか?」という依頼をする人がそこそこ存在したことです。たとえば、毎月30万円の仕事を発注しているフリーに対し、発注主が4月は全額振り込みをせず、翌月以降に振り込むというやり方です。

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