依然として新型コロナウイルスの脅威が続く昨今。感染封じ込めはもちろんのこと、実体経済をいかに立て直すかも大きな問題となっています。そんななか、6月5日、総務省から「家計調査」4月分の結果が公表されました。
調査対象世帯に、1か月間の収入・支出の詳細な記録をつけてもらうこの調査は、消費実態を紐解く上でとても有用な統計データです。政府による緊急事態宣言(4月7日)の下で、国内消費はどうなっていたのか。家計調査の結果からみていきましょう。
トピックは以下の3つです。
(1)消費が1割吹き飛んだ
(2)「コトからモノへ」の巻き戻し
(3)コロナ禍中に増えたこんな支出
(1)消費が1割吹き飛んだ
家計調査で二人以上の世帯について4月の消費支出をみると、1世帯あたり267,922円という結果。2019年4月が301,136円だったので、そこから比べて11%ほど消費支出が減少したことになります。この結果、調査結果を比較可能な2001年1月以降では過去最大の落ち込みというから驚きです。
なお、2020年2月の消費支出は271,735円で、2019年2月(271,232円)とほとんど差がありません。2020年3月の消費支出は292,214円で、2019年3月(309,274円)から6%ほど減少していました。国内での新型コロナ禍の脅威が3月、4月と深刻になり、自粛生活が本格化するにつれ、消費支出の落ち込みが大きくなっていることがわかります。