コロナ禍で在宅勤務が増え買い物もネットショッピングを利用する機会が増えたいま、ネット詐欺がますます巧妙化。手口も新たなものになっているという。
「外出自粛でネットショッピングを利用されるかたが多かったせいか、例年にも増して、ネット詐欺の件数が多く寄せられました」と言うのはフィッシング対策協議会事務局の平塚伸世さん。
「自分が過去に利用したことのあるサービスだと、つい信じてしまうケースが少なくありません。自分はだまされないタイプだと思っている人ほどひっかかる。それほど、最近の詐欺の手口は巧妙になっています」(平塚さん)
実は、本誌・女性セブン記者である私もその被害者の1人だ。記者の元にある日、Amazonから届いたメールを開いてみると、そこには身に覚えのない買い物の痕跡が見えた。24万9480円のパソコンを買ったことになっていたのだ。送付先は私ではない別の人物の実名が……。
「☆こちらの注文に覚えがない場合は? 他の方が誤ってあなたのメールアドレスで注文した可能性があります」の注意書きの下にリンクがあり、ここで修正サイトへのリンクが貼られていると思っていたのだが、実はこれが巧妙にクレジットカード番号を含む個人情報を盗み出すフィッシングサイトだった。慌てて対処したはずが、その先に落とし穴があった。
実際に届いたメール(別掲)と、そこに仕掛けられたワナを紹介する。
【1】差出人名がAmazonと同じだった
Amazonで商品を注文したことがある人はご存じだと思うが、同社から送られてくるメールの差出人名称は「Amazon.co.jp」となっている。これまでの詐欺は、「アマゾン」や「Amazon」のように名称を微妙に変えるケースが多かったが、今回は本物とまったく同じ差出人名でメールが来た。当然、私はこの時点では1ミリも疑っていなかった。
【2】文面がリアルだった
「Amazon.co.jp ご注文の確認」という文言に続く注文番号も、同社の注文確認メールで表記されるものと似たものだった。「アカウントにセキュリティ違反があるため、注文を処理できませんでした」というメッセージを見て、「自分のアカウントが乗っ取られ、第三者に勝手に注文されてしまった!」と思い込んでしまった。それがワナだとも気づかずに…。