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口座開設したはいいものの… つみたてNISAのもったいない落とし穴

つみたてNISAのメリット・デメリットは?

つみたてNISAのメリット・デメリットは?

「投資」と聞くと、条件反射的に敬遠してしまう人も多いだろう。しかし、国が推奨している「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」は、税制面でのメリットも大きく、堅実な資産運用が実現できる制度として知られる。それでも、そんなつみたてNISAも一歩間違えればもったいない結果に終わってしまう――。

「昨年は、義父の葬儀費用と義母の施設の入居一時金で出費が立て込みました。結婚予定の長女は、コロナ禍が落ち着いたら式を挙げたいと言っています。次男の学費の支払い、住宅ローンの返済もあって…。自分たちの老後資金のことなんて考える余裕がありません」

 パート勤務の大石早苗さん(仮名・52才)は、銀行口座の預金額を見るたび、ため息が出ると話す。大石さんのような家庭は日本中にあふれている。

 そんな金銭的な不安を解消する仕組みとして、国が2018年からスタートさせた制度が「つみたてNISA」だ。ファイナンシャルプランナー(FP)の山中伸枝さんが話す。

「数年前から政府は国民に向けて“貯蓄から資産形成へ”とメッセージを出し続けてきました。そこへ、最終兵器のように登場したのが『つみたてNISA』です」

 つみたてNISAとは、投資信託に特化した積み立てで買う投資制度のことだ。毎年40万円を上限に投資でき、最長20年間の運用益(配当金や売却益)が非課税となるのが最大の特徴だ。

 同じような仕組みとして「iDeCo(個人型確定拠出年金)」があり、iDeCoは積み立てている掛け金が所得控除の対象になる代わりに、原則60才まで引き出せない。つみたてNISAは掛け金が所得控除されないが、好きなときに引き出せるという特徴がある。FPの鈴木さや子さんが説明する。

「つみたてNISAには、何かあったときにいつでも引き出せる安心感があります。子供の教育資金はもちろん、現在、住宅ローン控除を受けている人なら控除期間が終わるタイミングで繰り上げ返済に回すといった使い方もできます。途中で使わなければ、そのまま老後資金に回せるというフレキシブルさが大きなメリットです」

 さらに、iDeCoは20~60才という加入年齢の制限があるが、つみたてNISAは20才以上であれば構わない。

「70才から始めることだって可能です。それぞれの人生設計に合わせて、幅広い年齢の人が、幅広い目的のために使えます」(山中さん)

 しかし、仕組みをよく理解しないまま始めると、トラブルで損をする恐れもある。

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