7月中旬、「#食費2万」というハッシュタグがTwitterで賑わった。〈子ども3人でも食費2万円台。節約上手のスーパーの回り方〉というネットニュースが話題になったからだ。だが、金銭感覚は人によってそれぞれ。東京・港区の麻布界隈に住む富裕層世帯の“麻布妻”たちはSNSなどを見て「月2万円」は何かの間違いではないかと驚いたという。自身も麻布妻でライターの高木希美氏が、その一般庶民とはかけ離れた金銭感覚をリポートする。
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食費月2万円の記事が話題になったあと、何人かママ友が集まったときのことです。
「外食したら1回で2万円だよね」
「うちは週末は土日とも外食って決めてるから、週末だけで5万円行っちゃう」
「東京ミッドタウンのプレッセ(高級スーパー)でお肉とか手巻き寿司の材料買ったら、1回で2万8000円だった」
「月10万円以下って無理だよね」
──このように、それぞれ富裕層世帯ならではのコメントをしていました。外食費を入れれば月20万円、30万円は当たり前の人たちですが、自炊のための食費のかけ方で特に凄かったのが、20代の新婚麻布妻・マミさん(仮名)でした。夫は親の代からの開業医で、お金に無頓着。というよりも、経済観念が希薄と言ったほうがいいかもしれません。
「私、一人暮らし経験もなく嫁入りしたんで、母から習っていたのでお料理はできますが、どうやって節約するかとか知らないんです。食卓にどんなものが並ぶのが普通で、みんなはいくらくらいかけているのかがわかりませんでした。月2万円って、びっくりして……」
そう語るマミさん。両親は高級スーパーとして知られる明治屋か紀ノ国屋でばかり買い物をしていたそうで、マミさんは麻布エリアでやはり高級スーパーとして有名な「ナショナル麻布スーパーマーケット」(通称・ナショナルマーケット)や「ナニワヤ」で買い物しているそうです。
「夫には健康第一でおいしいものを食べてほしくて、なるべくお惣菜も買わずに自炊しています! 1回の買い物は5000円とか7000円前後で、普通ですよね?」(マミさん)