なにかと「学生時代の友人は、社会人になった後の友人とは別格の特別な存在」「学生時代の友人だからこそ話せることがある」などと言われる。だが、「そんなに学生時代の友人って大事だろうか?」と疑問を呈するのはネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。同氏は「学生時代の友人は美化され過ぎ。もっと現実を見た方がいいんじゃないですか?」と言う。以下、中川氏が自身の体験をもとに意見を述べる。
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こういったことを書くと「こいつは友達がいたことがないんだなwwww」や「惨めな学生生活を送っていたんだな」と憶測による罵倒や、「オレは学生時代の友人と今でも親友関係だ」という自慢(笑)が殺到するのが常です。でも、現実的に考えると46歳になった今、社会人になった後に出会った知人・友人の方がよっぽど大事だし、助けてくれるんですよ。学生時代の友人こそ至宝!的な考え方は「まぁ、一生あなたは過去にしがみついてくださいね」としか思えません。
一緒に仕事していないのに何をあなたたち話すんですか? どうせ違う業界に皆進んだわけだから、それこそ思い出話が尽きたら話すことなくなるでしょ?
とはいっても、私自身、今でも大学時代の同級生・Y嬢と一緒に、2人だけの会社を経営していますし、モノカキ関連の“同業者”と言っても良い千葉商科大学准教授の常見陽平氏とジャーナリストの治部れんげ氏の3人とは今でも接点があり、大切な存在だと思っています。ただ、ここには仕事が絡むから関係性がキチンと維持されている部分があるわけです。
ここまで書いた段階で「こいつは社会生活不適合者だ!」「こんなヤツに友達がいるわけがない!」といった意見が出てくるわけですが、私だって社会人になってからの友人は大勢います。そして、今でもそうした人々からの飲み会のお誘いなども頻繁にある。コロナ禍の前は国内外を問わず彼らと一緒に旅行を年に数回してきました。