投資情報会社・フィスコが、株式市場の8月24日~8月28日の動きを振り返りつつ、8月31日~9月4日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は一時23000円台を回復したものの、28日後場に伝えられた安倍首相の辞任報道を受けて週間ベースでは小幅続落した。
週明け24日の日経平均は、21日のNYダウ続伸、ナスダック総合指数とS&P500指数の最高値更新を受けながらも、安倍首相の健康不安などが警戒されて小幅安で始まった。その後はもみあいを経て、香港株の上昇などを手掛かりに続伸で大引けた。ただ、全般は見送りムードが強く、東証1部の出来高は昨年12月30日の大納会以来の8億株割れをみた。
新型コロナウイルスの治療法やワクチンの開発に期待が高まり、24日のNYダウが上昇したことを好感して、25日の日経平均も前日比311.26円高と3日続伸し、大引けで23000円台を4営業日ぶりに回復した。また、後場の寄り付き直後には、前日比445.53円高の23431.04円まで上昇する場面もあり、コロナショック前の2月21日終値23386.74円を一時上回った。日経平均への寄与が大きいソフトバンクG<9984>やファーストリテ<9983>のほか、メガバンクの上昇が目立った。
25日の米国市場ではNYダウが4日ぶりに反落した一方、ナスダック総合指数は連日で過去最高値を更新した。26日の東京市場は、前日の急伸を受けて利益確定売りが先行し日経平均は反落で始まった。ただ、米ハイテク株高や為替の円安が支えとなり下値は限られ、大引けの日経平均は小幅安にとどまった。
全米で新型コロナウイルス感染件数が安定していることに加え、ワクチン開発で前進した報道が好感され、26日のNYダウは反発し、ナスダック総合指数も5日続伸で連日の最高値更新となった。一方、27日の日経平均は小幅上昇で寄り付いた後は売りが優勢となり、マイナスゾーンで推移し続落した。日本時間27日夜のパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の講演を控えて積極的な買いが見送られる中、時間外取引におけるNYダウ指数先物の軟調展開や中国による南シナ海への弾道ミサイル発射報道などが嫌気された。