みずほ銀行は2021年1月から紙の預金通帳を発行する際に1000円(税込1100円)の通帳発行手数料を取ると発表した。現在の定期預金金利は0.002%程度で、100万円を1年間預けても20円の利息でしかない。10年分の利息が、あっという間に「振込手数料」で吹き飛んでしまう超低金利時代。老後資産は今まで通りの“守り方”では、どんどん細っていく。
もはや銀行預金だけでは将来にわたって安心は手に入れられない状況になろうとしているのだ。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏はこうアドバイスする。
「預貯金は、資産を増やすためではなく保管のために行なうもの。インフレリスクに強くないため、増やすなら、投資を前向きに検討しても良いでしょう」
投資の初心者に向いているのが、一気に資産を投じるのではなく、長期の「積み立て投資」だとファイナンシャルプランナーの大堀貴子氏はいう。
「投資の際に安く買いたいと思っても、その判断は難しい。そこで毎月一定額をコツコツ投資に回していく『ドルコスト平均法』を使えば、安い時には多く、高い時には少なく買うことで平均取得単価をならすことができて、高値掴みを防げます。
毎月一定額を長期で積み立てていけば、景気の波をあまり受けることなく、徐々に資産を増やすことにつながるはずです」
その主な受け皿となるのが投資信託だ。国内外の株式や債券などで幅広く運用し、なかには不動産や高値圏で推移する「金」を組み込むものもある。
「投信を選ぶ際には、毎年必ずかかってくる運用コスト『信託報酬(手数料)』に注目してほしい。年間2%の信託報酬をとる商品もある。目安としては0.5%を上限として選ぶのがよいでしょう。投信は当然元本割れのリスクがありますが、信託報酬を差し引いた利回りで、外国株型で年5%、日本株型なら3%程度を期待して積み立てるケースが多い。
『つみたてNISA(少額投資非課税制度)』を使う手もあります。毎年の非課税で投資できる金額は40万円が上限ですが、最長20年間の運用益が非課税となるメリットがあります」(前出・風呂内氏)