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生命保険にはいくら入るべき? 夫の死後に「必要な備え」の算出法

配偶者の死後に備え保険をどう見直すか(イラスト/ぷちめい)

配偶者の死後に備え保険をどう見直すか(イラスト/ぷちめい)

 世の中の不安が増しているときが、保険を売る商機――生命保険会社ではそう教えられるという。売り手から見れば、コロナ禍のいまはまさに「ビッグチャンス」。しかし、冷静になって保険を見直せば、「ムダ」な部分も見えてくる。

 なかなか終わりの見えないコロナ禍に、千葉県在住の山本みどりさん(仮名・57才)はため息が止まらない。

「毎日、“新型コロナの感染者◯人”というニュースばかり。感染されたかたはお気の毒ですが、憂鬱な気持ちになります。もし、自分や夫がかかったらどうしよう……。万が一に備え、もっと生命保険に入っておいた方が安心かしらとばかり考えてしまいます」

 これまであまり人を疑うことなく生きてきた山本さん。つきあいのある生保の営業マンから「いまはネットで加入する時代」とすすめられ、慣れないパソコンを前にあれこれ悩ましい日々が続いているという。

 実際、山本さんのように「コロナ不安」で保険に加入する人が増えている。特にネット経由の申し込みが急増していて、国内最大級の保険選びサイト「保険市場」では、オンライン生命保険の3月の申込件数が前年同期比182.4%増の1426件にのぼったという。生命保険に詳しいファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんが話す。

「保険の見直しに関する問い合わせも増えているようです。“コロナで不安だから何か新しい保険に入った方がいいのか”“いまの保険をもっと手厚いものにした方がいいか”といった内容です」

 しかし、不安が高まっているいまだからこそ、冷静な判断が必要だろう。生命保険は、もしものときの「鎧」のようなもの。守りを固めすぎても支払う保険料の負担が増すばかりで身動きがとれなくなる。「保険の入りすぎ」は家計の負担増につながるだけなのだ。

「生命保険はマイホームに次ぐ“人生で2番目に高い買い物”と言われ、払い続けた保険料は生涯で1000万円を超えることも多い。にもかかわらず、生保の営業員に言われるがままに加入し、自分がどんな保険に入っているかよくわかっていない人すらいます」(長尾さん・以下同)

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