歯科治療は長引くと大きなお金がかかる。生涯を通じての歯科治療費を大きく減らせる可能性があるのが、正しい知識をもとにした「予防」である。『週刊ポストGOLD 得する医療費』より、歯科衛生士の太田由美さんに「予防歯科」のポイントを解説してもらった。
【1】必ず「フロス」を使う
「歯ブラシだけでは、必ず歯間部に磨き残しがあります。だから、正しいセルフケアには、デンタルフロスや、歯間ブラシが必需品なのです」(太田さん・以下同)
フロスで奥歯を清掃するのが難しい、という人もいるが、簡単に解決できる方法があるという。
「フロスを巻きつけるのは“中指”。そして左右の人差し指の腹で、ピンと張って歯間に入れます(写真参照)。この方法なら奥歯まで簡単に届きますよ」
フロスは、歯肉に1~2ミリほど優しく入り込ませ、歯に巻きつけるように引き上げる。これでも難しいという人は、「Y字型」のフロスを使用してほしい。フロスには、水分を含むと膨れるタイプや、平たいテープ状のタイプなど様々な種類がある。口の状態を歯科衛生士に診てもらって、適切な道具を選ぶことが重要だ。
歯間が開いてしまっている人は、フロスよりも歯間ブラシのほうがいい場合もある。
「歯間の幅より太い歯間ブラシを使用すると、歯肉を傷つけてしまいます。個人差がかなりあるので、歯科衛生士に適正サイズを聞いてください」