投資情報会社・フィスコが、株式市場の9月14日~9月18日の動きを振り返りつつ、9月23日~9月25日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は一進一退の動きの中、3週ぶりの小幅安に転じた。
週明け14日の日経平均は3日続伸で始まった。11日のNYダウが反発し、英大手製薬会社アストラゼネカが新型コロナウイルスワクチンの治験を再開したと発表したことも好感された。指数寄与度の高いソフトバンクグループ<9984>が、傘下の英アーム株の売却とともに、株式非公開化に向けた協議を再開する方針と一部報道を受けて急伸し、大引けの日経平均は終値として2月14日以来、7カ月ぶりの高値水準となった。
14日のNYダウは大幅続伸したものの、15日の日経平均は終日マイナスゾーンで推移し4日ぶりに反落した。日経平均が前日までで500円以上の上昇をみたことから利益確定売りが先行した。FOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合、菅新政権の組閣を控えて様子見ムードも働いた。
中国、ドイツの良好な経済指標を好感して15日のNYダウが3日続伸したことを受けて、16日の日経平均も小幅反発した。寄り付きの日経平均は小幅安のスタートだったものの、値がさグロース(成長)株が買われて、日経平均は前場中盤を過ぎてからは強調展開となった。ソフトバンクグループが引き続き買われたほか、エムスリーの上昇も日経平均の押し上げに寄与した。
注目されたFOMCでは、予想通り大規模緩和策が据え置かれるとともに2023年末までのゼロ金利の長期化が示されたことを受けて、16日のNYダウは4日続伸となった。一方、追加の量的緩和については明示されなかったことが嫌気され、ハイテク株売りが続いてナスダック総合指数は3日ぶりに反落した。17日の東京市場は、このハイテク株売りの流れを警戒するとともに為替が一時1ドル=104円台を付ける円高の進行を嫌気して売りが先行し、日経平均は反落した。ただ、東証1部の値上がり銘柄数は値下がりを上回り、押し目買いニーズも強いことが意識された。また、15日に続いて日銀のETF(上場投資信託)が流入して下支え要因となった。ジャスダックのNuts<7612>がレナウンに続き今年2社目の上場企業破綻となったものの、影響は限定的だった。