コロナ禍が大学に与えたインパクトは、長期間にわたる大学構内の閉鎖や休講、オンライン講義への移行だけではない。学生たちが青春を謳歌するはずのクラブ・サークル活動にも広く影を落としてきた。フリーライターの吉田みく氏が、所属サークル内での“金銭トラブル”を訴える女子大学生に話を聞いた。
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千葉県在住の大学生、佐藤久美さん(仮名・21歳)は、都内の大学へ通う大学4年生。現在、所属するインカレサークルのことで悩んでいるという。コロナ禍で活動休止を余儀なくされる中でも、月会費を徴収され続けていたというのだ。
インカレサークルとはインターカレッジサークルの略で、他大学の学生と交流できることから長年人気を集めている。大学から公認を受けていたり、OB・OGが大勢いたりするような伝統的なインカレサークルであれば運営もきちんとしている傾向が強いが、全てのインカレサークルが該当するわけではない。
組織として未熟なサークルでは、運営をめぐるトラブルは付きものかもしれない。大学非公認サークルのような、責任の所在がはっきりとしていないところに所属してしまうと、トラブルに巻き込まれた時に解決まで時間がかかったり、泣き寝入りせざるを得ないこともあるので注意が必要だ。大学によっては、非公認サークルへの加入に対して注意喚起が行われていることもある。
「コロナの影響で、大学の授業はオンラインに。もちろんですがサークルも一旦お休みです。それなのに会費は通常通り徴収されていたんですよ? 意味が分かりません」(佐藤さん、以下同)
佐藤さんの所属するインカレサークルは、都内の有名大学と女子大に通う学生たちが中心になって運営されている旅行サークルだという。運営に大学側が関与しない非公認サークルだ。
会費は月3000円。徴収の連絡はグループLINEを通じて行われ、施設利用料などのサークル運営に充てる名目だったというが、佐藤さんは「コロナで活動休止中なのに徴収された」と不満を漏らす。使い道が気になり、グループLINE上でサークル幹部に聞いたが、うやむやにされたそうだ。