新型コロナウイルス感染リスクを考えて「今年は年末年始は帰省しない」と決めた家族も多いだろう。あるいは、実家には帰っても普段集まる親戚同士の集まりは控えるというケースも多いはず。
これによってシニア世代を悩ませるのが「会えない孫や親戚へのお年玉をどうするか」だ。孫ならば息子・娘たちを通じて渡してもらえば済むし、現金を送るにも気兼ねがない。が、甥や姪、あるいはその子たちとなると話が変わってくる。
「甥っ子に子供が2人いて、毎年正月には会ってお年玉を渡している。かといって“今年は会わなかったからお年玉をあげない”となれば、子供たちがかわいそうだし甥っ子にも悪い。送ろうとも思うが現金書留で送っていいものか、商品券とかにしたほうがいいのか」(70代男性)
「親戚の子たちに送るにしても、いつも集まっている親戚たちでやり方を合わせなければいけないからややこしい。ただでさえうちの妻はこっちの親戚付き合いが好きじゃないのに、『本当に面倒臭いわ』と愚痴っています」(60代男性)
これまで“現金をポチ袋に入れて手渡し”が当たり前だったのが、否応なく変化を迫られている。生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏がこう助言する。
「小中学生のお年玉の4割は貯金というデータがあるので、親に連絡して口座を聞いた上で銀行振り込みするのが良いのではないでしょうか。中高生の場合、『PayPay』や『LINE Pay』といったキャッシュレス決済サービスを通じて電子マネーで送るのも喜ばれるかもしれません。
ただ、新規で登録となると慣れていない高齢者にはハードルが高い。現金書留や商品券を送るほうが無難ですし、今は失礼には当たらないと思います」
ただし、これ幸いとなかには“終活お年玉”も検討されているようだ。
「甥ももう大学生。これをきっかけにお年玉をやめる」(50代男性)
※週刊ポスト2020年12月25日号