新型コロナの第三波到来により、来たる年末年始の帰省や家族・親戚らの集まりを見送るという人は多い。正月を大勢で祝えないのは寂しい限りだが、小学生の姪にあげるお年玉の“渡し方”をめぐり、その親である実の姉と言い争いになったという30代男性医師がいる。フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。
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「自分なりの感染症対策のつもりだったんですが……。相手には気持ちが上手く伝わらなかったようです」──都内在住の内科医、浅川太郎さん(仮名・32歳)は、コロナ禍でのお年玉の渡し方について頭を抱えていた。
お年玉といえばポチ袋に入れた現金を渡すのが定番だったが、最近ではギフトカードや電子マネーを贈る方法も広がってきている。
コロナ禍で迎える今度の正月は、帰省などはせずにオンライン上で親戚が集まるケースもあるだろう。たとえばそんな場面では、非接触かつその場で贈れる「電子マネーのお年玉」は人気を集めそうだ。
「仕事柄、毎日のように体調不良の方と会います。このご時世ですので、万が一自分が感染していたら……というのは、人一倍意識して生活していますよ」(浅川さん、以下同)
今年の2月ごろから不要な外出は控え、感染予防に徹した毎日を送っている浅川さん。職場と自宅を往復するだけの日々に物足りなさはあるものの、職務上の義務として仕方がないと割り切っていた。
12月が近づき、今年の終わりも見えてきたある日、姉から正月の家族の集まりについての連絡が入ったそうだ。
「姉からは『今年は集まるのは控えましょう』と言われました。私もこれには賛成です。でも、姪に渡すお年玉の件で意見が食い違ってしまったんです」