「若者の車離れ」と言われるようになって久しいが、コロナ禍ではなるべく人との接触機会が減らせる車での移動にも注目が集まっている。そうしたこともあり、「とりあえず自動車免許は取得しておこう」と考える若者もいるだろうが、必ずしもそれが車の購入につながるとは限らない。
「就活時、営業職だと、免許が必要なことが多いんですよ。面接でも営業職だと免許が必要になるから『卒業まで取っておくように』とよく言われました。だから僕もそれを機に取得しました」
そう語るのは、素材メーカーで働く20代の男性・Aさんだ。就活をしていた当時、営業職を希望していたこともあり、「免許取得は仕事に必要だから仕方ない」と思っていたという。しかし、本社勤務で管理部門に配属されてしまった。
「今になってみると、会社に言われたことなのに、『自腹で免許を取得した意味は?』と考えてしまいます。まあ、もし今後営業職に配属されても、車は仕事上のツールであって、プライベートで高いお金を出してまで購入しようとは思いません。都心の移動なら電車で十分です。事故のリスクも怖いですし、維持費もかかる。現在、免許証は身分証明書として使用するくらいです」(Aさん)
専門商社で働く20代の女性・Bさんは、地方旅行やアウトドアに出かける時は車があった方が便利だと思い、自身も2年前に免許を取得した。だが、車の購入について尋ねると冷めた反応だった。
「結婚して家族がいても、車を持たない人も多いです。日常生活でも、車はあれば便利かもしれませんが、たまに乗るだけのためにメンテナンスとか、車検とか面倒そう。車がどうしても必要な時はレンタカーかカーシェアリングで十分。それこそ私の場合、旅行の時にしか使いませんし」(Bさん)