1人暮らしの親が死んだ場合、親が支払っていた携帯電話やネット料金、定期購入していた新聞や商品、フィットネスクラブの月会費など、解約しなければならない事は多いが、それ以前にやらなければいけないのが、公共料金の解約だ。
しかし、そこには落とし穴があるという。実家の父を3年ほど前に亡くした元参院議員の丸山和也・弁護士が語る。
「父は105歳で他界しました。亡くなるまでの7年は施設にいたのですが、その間自宅に戻る可能性もあるからと、誰もいない実家のガス、電気、水道は契約し続け、死後もしばらくそのままにした。2019年に解約するまで払い続けたんです。
でも家の中をよく見たら、固定電話までそのままでした。空き家になっても年に数回は様子を見に帰っていたので、電気は必要でしたが、固定電話は早く解約すれば良かった」
85歳の父を亡くした映画監督の三上智恵氏は、公共料金に付随したサービスも見落としてはいけないという。
「ガスは止めたのに、その子会社との契約による『見守りサービス』はその後も請求され続けたのです。知った時は唖然としました」
ガス会社の見守りサービスとは、トイレ扉の開閉を感知するセンサーを設置し、一定期間に反応がない場合には遠方の家族に連絡が入るもの。警備会社が行なうものなど、付随契約したサービスは見落とされがちだ。
こうした“落とし穴”にハマらないよう、公共料金を止める際に1つ1つ会社に問い合わせて確認する必要がある。
※週刊ポスト2021年1月15・22日号