年齢を重ねれば、肉体も精神も変化し、それまでの習慣を続けることが生活を不便にすることもある。女性にとっては、閉経の平均年齢である50才前後や、本格的な“老後”にさしかかる70才が節目となることも多いだろう。
こういった女性の節目には、マネープランの組み直しも必要になる。ファイナンシャルプランナーの横川由理さんは、50才を過ぎたらまず生命保険をテコ入れすべきと話す。
「子供が独立したら、死亡保障が高く、掛け金も高い死亡保険は必要ありません。子供がまだ大学生でも、万一のときの学費と生活費として1000万円くらいの生命保険に入り直せばいい。生命保険は掛け捨てが基本のため、金融商品の中では割が悪いものと覚えておきましょう」
また、最近、50代の女性の間で人気が高まっている介護保険がある。掛け捨て型の介護保険に入っている人は、乗り換えを検討してもいいかもしれない。『一生困らない自由を手に入れる お金の教室』(大和書房)の著者で、ファイナンシャルプランナーの森本貴子さんがアドバイスする。
「『ハイブリッド式』と呼ばれるもので、投資信託のように掛け金を積み立てながら、介護が必要になったら一時金がもらえるという『貯蓄型』の保険です。将来の介護費用が不安だけれど、保険料は抑えたいという人にとって、貯蓄や資産運用をしながら介護に備えられるのがメリットです」
最近は、70才以上の高齢者でも入れる医療保険も増えている。だが、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんは「70才以上は、医療保険は解約していい」と指摘する。
「日本では医療費負担が原則3割ですし、高額療養費制度もある。さらに75才になると後期高齢者医療制度が適用され、現状は本人負担が1割で済みます。60代なら『先進医療を受けたい』などさまざまな治療に取り組みたいという意思が家族にもあるため、医療保険を解約しないという選択肢もありますが、70才以上になると先進医療までやりたいと望む人は減ってきます」
※女性セブン2021年2月18・25日号