「ネット通販にはサギまがいのものがあるから要注意!」と何度となく言われてきた。にもかかわらず、コロナ禍の外出自粛もあって、相談件数は急増している。2020年5月には、全国の消費生活センターへのネット通販にまつわる相談件数が、2万6000件を超え、全体相談件数の3割を超えている。
利用者が警戒すればするほど、その裏をかく手口が次々と生まれているというが、それはどのようなものなのか。ここでは、全国の消費生活センターに寄せられた相談の中から、「お試し定期購入」の悪質手口とその対策を、実際の例をもと紹介する。
神奈川県在住のOL・A子さん(40才)は、自宅でテレワーク中に、洗顔フォームが「初回のみ500円」と、格安で買えるサイトを見つけ、お試しで注文。商品を受け取った。
ところが1か月後、さらに同じ商品が届き、2回目以降は1個6000円の請求書が。問い合わせると、「5回の商品購入が前提条件となっている契約ですから」と説明された。
「1回だけのつもりで注文したのに、実際は定期購入だったことが、説明画面のいちばん下の方に、とても小さな文字で書いてあったんです。そこまで読み込まなかった私が悪いのですが、こんなに高額になるなんて」(A子さん)
たしかに、私たちは「お試し」「初回無料」などの謳い文句に飛びつきやすいが、それが1回の購入か、定期購入かをまず確かめる必要がある。
「【1】定期購入の表示がわかりにくい。【2】解約可能と謳いつつ、実際は解約方法がよくわからない。そんな場合は、詐欺的定期購入商法です。購入前に、定期購入かどうか、解約方法や定期購入の期間などを確認するのが重要です」(消費者庁・取引対策課)
※女性セブン2021年3月4日号