投資情報会社・フィスコが3月1日~3月5日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は下げ渋りか。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は2月23-24日に開かれた議会証言で、足元の米国経済の回復に慎重な見方を示すとともに、物価に関しては目標からほど遠く、達成には3年超かかると述べた。緩和的な金融政策は長期化するとの見方は変わっていないが、景気回復への期待や財政支出の大幅な拡大によって長期金利の上昇が続いている。金利高は米国株式を圧迫するが、アトランタ、ニューヨークの地区連銀総裁は長期金利の上昇を特に警戒していないとの見方を伝えている。原油など商品市況の回復も意識されており、株安の相場展開でもリスク回避的なドル売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。
【米・2月ISM製造業景況指数】(3月1日)
3月1日発表の米2月ISM製造業景況指数は58.8と、1月の58.7を若干上回る見通し。コロナまん延で制限強化の打撃は和らぎ、上昇なら早期正常化への期待感から株高・ドル高の材料になりそうだ。
【米・2月雇用統計】(3月5日)
3月5日発表の米2月雇用統計は回復基調が続くか注目。1月は失業率6.3%、非農業部門雇用者数は前月比+4.9万人、平均時給は前年比+5.4%で、労働参加率の低下が嫌気された。ただ、失業率や雇用者数の改善で、株高ならドル買い材料に。