投資情報会社・フィスコが3月22日~3月26日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米連邦公開市場委員会(FOMC)と日本銀行の金融政策決定会合の結果を消化する相場展開となりそうだ。日本銀行は10年国債金利の変動幅を上下0.25ポイント程度に設定したが、米長期金利の上昇基調は継続するとの見方が多く、ドル高・円安の流れは変わらないとみられる。FOMCでは政策金利の誘導目標レンジを据え置くとともに、2023年まで実質ゼロ金利政策を維持するとの方針が示された。経済・金利見通しで23年までに利上げが実施されるとしたメンバーは10人を下回った。
ただ、利上げ時期の前倒しを見込んだメンバーは昨年12月時点よりも増加していること、FOMCの経済予測では、2021年末時点の経済成長率は6.5%、失業率は4.5%程度と想定されており、これらの予測データは長期金利上昇の一因になっていることから、今週発表される10-12月期国内総生産(GDP)確定値や2月耐久財受注などをはじめ、経済指標が堅調なら、資産買入れ規模の段階的な縮小への思惑が浮上し、ドル売りは抑制されよう。米10年債利回りの高止まりを受けハイテク株買いは弱まる見通しだが、連邦準備制度理事会(FRB)による緩和的な金融政策の長期化観測で、米国株式の大幅安は回避される可能性が高いとみられており、ドルを支える手がかりとなりそうだ。
【米・2月耐久財受注】(24日発表予定)
24日発表の米2月耐久財受注は前月比+0.7%と予想されており、前回からの伸びは鈍化する見通し。市場予想を下回った場合、1-3月期GDPの伸び率鈍化につながる可能性があることから、金利安・株安・ドル安の要因となりそうだ。
【米10-12月期GDP確報値】(25日発表予定)
25日発表の米10-12月期GDP確報値は、前期比年率+4.1%程度と予想されている。速報値や改定値の水準を維持できるかが焦点。ただ、景気回復ペースはやや遅れが目立ち、改定値を下回った場合、ドル売り材料となる可能性がある。