投資情報会社・フィスコが、株式市場の3月22日~3月26日の動きを振り返りつつ、3月29日~4月2日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週半ばまでは下値模索の展開となったが、後半に底堅さも見せた。週明け22日は、大手銀に対する資本規制(補完的レバレッジ比率「SLR」)の緩和措置を延長しないとした米連邦準備制度理事会(FRB)の方針を受けた米株安を背景に日経平均は続落スタート。上場投資信託(ETF)の買い入れ対象から日経平均型を除外するとした先日の日銀の政策方針変更も重しとなって下げ幅を拡げる展開となり600円超の下落となった。
23日は、米バイデン政権による最大3兆ドル規模の大型公共投資に関する報道を背景に米国市場は上昇していたものの、将来的な金利上昇が警戒され、アジア市場も大幅下落となるなか3日続落した。24日は、欧州で新型コロナウイルスが収束せず、ドイツがロックダウン(都市封鎖)を延長するなど世界経済の回復に不透明感が広がったことから、原油価格の急落も相まって日経平均は590円安の大幅下落となった。年度末に伴うリバランスの売りが出やすい一方、新規の買いが入りにくいという需給面の要因も重しとなった。
ただ、25日は、ドイツがロックダウン強化計画を撤回したほか原油価格も大幅反発したことで市場心理が改善。前日までの4営業日で1800円も下げていただけに自律反発狙いの買いも入りやすく300円以上の上昇に。週末26日も、バイデン大統領がワクチン配給目標を倍増させるとの報道で市場心理が向上し、日経平均は上昇、29000円を回復して週を終えた。
今週の日経平均は強含みか。2月後半から市場の最大の関心事となっていた米国10年物国債利回り(以下、「米長期金利」)については、当面は相場の主役の座から外れそうだ。先週の米長期金利は一貫して落ち着いていた。債券需給の悪化要因として警戒されていたSLRの規制緩和については打ち切りがあったものの、米長期金利は1.7%台から1.6%台へと低下。
また、先日1.9兆ドル規模の経済対策が成立したばかりにもかかわらず、矢継ぎ早に3兆ドル規模の大型公共投資に関する話が出てきた。しかし、それでも米長期金利はほぼ無反応だった。その後、金利急騰劇の発端になった米7年債の入札結果が前回に続き低調となったことで若干上昇する動きが見られたが、それでも1.6%台前半での推移に収まった。直近高値の1.75%から1%強低い水準だ。