病気やけがで手術や入院したとき、頼りになるのが「医療保険」の存在。目安として月々3500円ほどの支払いなら、入院給付金が1日5000円ほど受け取れる。だが、必ずしも万人に必要とは限らない。
「正社員で健康保険に加入している場合、傷病手当金があるため、入院しても収入の3分の2が保障されます。さらに、収入によって負担額が変わりますが、一般的な年収なら医療費の自己負担が最大でも月額9万円程度で済む『高額療養費制度』もある。つまり、貯蓄があり、病気になって収入が減少しても困らない人は、医療保険は必要ありません。
経済的な余裕がない人ほど、加入を視野に入れた方がいい。たとえば子供が私立学校に通っていて、なおかつ住宅ローンを払っているなど毎月の収入と支出に差がない家庭は、月々の保険料として万が一の支出を固定化させた方がいい場合もあります」(ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さん)
ただし、医療技術の発達もあり、昨今は入院日数が短くなりつつある。
「いまは、通院や入院保障より『一時金』の時代です。治療の観点では医療保険はなくても問題ありませんが、一時金が出ることにより精神的不安が軽減されるのが医療保険のいちばんのメリットと言えます」(ファイナンシャルプランナーの岡山知恵子さん)
保険選びもセカンドオピニオンが重要
医療保険は、あくまで「自分がどんな治療を受けたいか」という選択の幅を広げるものだ。
「一般的な40~60代女性の医療保険の平均掛け金の月額は、5000~1万5000円程度です。 抗がん剤治療でウイッグが必要になったなどで、50万円ほどの急な出費がある場合も、医療保険に入っていれば、そういったことにお金を回す余裕ができます」(岡山さん)