近年は、コロナ禍の巣ごもり生活の影響もあり、近隣住民の騒音に関する苦情が急増しているという。自粛期間中はストレスが溜まり、神経過敏になる人も多く、ひとたび生活音が気になり出すと当事者には耐えがたい苦痛になる。とはいえ、毎日顔を合わせるご近所との関係をこじらせるのは避けたいもの。穏便に解決するにはどうすれば良いのか。50才パート女性は団地の上の階に住む老夫婦の騒音に悩まされているという。そのトラブル実例を紹介するとともに、専門家にアドバイスを聞いた。
【実例】
私が住む団地の上の階には上品な老夫婦が暮らしていて、もう15年も家族ぐるみの良好な関係を続けています。しかし、コロナ禍で命が脅かされる日々が続いたせいか、彼らが“終活(大掃除)”に目覚めてから、状況が変わりました。
お年寄りなので、起床時間が早く、朝5時から家具を引きずる音や鍋などの金属製品をカチャカチャと重ねるような音が始まるんです。さらに、重いものを落とす、ドーンという衝撃音も……。早朝の片づけが終わると、掃除機をかける音が響いてきます。数十分程度ならいいのですが、これが数時間続くんです。たぶんスイッチをつけっぱなしで別のことをしているのでしょう。
その後は、テレビの爆音が夜8時くらいまで続きます。これまでテレビの音などしなかったのですが、模様替えで窓際にテレビを持ってきたみたい。さらにコロナを気にして窓を開けて見ているうえ、耳が遠いらしく音量も大きいので、こちらが窓を閉めていても聞こえてきます。
常に大きな生活音にさらされるようになり、私たち家族はすっかり寝不足に。夫は、「夫婦2人暮らしの家の整理なんてすぐに終わるだろうから、ちょっとがまんしよう」と言いますが、私は知っています。以前、おすそ分けを持ってお邪魔したときに見たのですが、老夫婦のお宅には、木彫りの熊やら日本人形やら、物がたくさんあることを。老人2人では、片づけ終わるのに半年はかかりそうです。
これまでの関係もありますからしばらくは様子を見て、さすがに1年経ってもこの状態が続いたら、対応を考えようと思っています。でも、それまでがまんできるかなあ。(50才・パート)