投資情報会社・フィスコが、株式市場の6月7日~6月11日の動きを振り返りつつ、6月14日~6月18日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均はもみ合いとなった。5月の米雇用統計の結果は強弱混在する内容だったが、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和を早期に解除するほどの内容ではないとの見方から、長期金利が低下するなかハイテク株を中心に上昇。この流れを受けた週明けの日経平均も300円近く上げて始まると、早い段階で29241.20円まで上昇した。しかし、29000円台では依然として戻り待ちの売り圧力が強く、間もなく急失速。安値では29000円を割り込む場面もみられた。その後は、米5月消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとの思惑から、週後半まで方向感に欠ける動きが続いた。一方、米長期金利の低下傾向は週を通じて株式市場全体をサポートする役割を果たした。
注目されていた米CPIは前月から加速し、市場予想をも上回ったが、FRBのスタンスに変化をもたらす程のものではないとの見方から、米長期金利は1.4%台前半へと更に低下。金利低下を追い風に、10日の米株式市場ではハイテク株が中心に買われた。この流れを受けた週末11日の東京市場では、先物・オプション6月物の特別清算指数(SQ)算出に絡んだ売買もあり、朝方は上下に振れた。71円高からスタートした日経平均は、一転して28839.54円(119.02円安)まで下落したかと思えば、即座に切り返して一時29080.89円(122.33円高)まで上昇するなど、方向感に乏しい動きが先行。その後も、米CPIの結果判明を受けたあく抜け感は高まらず、29000円を下回ってのもみ合いが続いた。
今週の日経平均はもみ合いか。米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、週前半は様子見ムードが強そうだが、イベントを通過した週後半は、あく抜け感から強含む展開も想定される。
5月の米消費者物価指数(CPI)は前年比5.0%と前月の4.2%、市場予想の4.7%をも上回ったが、FRBが早期に金融緩和を縮小する程までではないとの見方から、ほぼ無風で通過。米長期金利は発表直後こそ1.53%ほどまで上昇したが、すぐに低下した。米10年物ブレークイーブンインフレ率(期待インフレ率の指標)も上昇したものの軽微にとどまった。CPIの大幅上昇は、前回の4月に続き、中古車やガソリンなどが主体であり、「物価上昇は一時的」とするFRBの見方に沿うものとの解釈が優勢だったようだ。