企業概要
マネジメントソリューションズ(7033)は、PMO(Project Management Office)支援に特化したコンサルティング会社で、企業のプロジェクトのマネジメント支援を行うことを主な事業としています。
近年、デジタル化やグローバル化を背景に企業のプロジェクト数が激増しており、大企業を中心にプロジェクトマネージャーを支援する組織PMOを設置する事例が増えており、同社は、その潮流にいち早く乗った草分けとしてポジションを確立しています。
サービス提供の形としては、クライアント企業からPMO全体を請け負うか、クライアント企業が自社で設置したPMOに対してコンサルティングを行う形で提供しています。
足元の業績は好調です。今期は収益の源といえるコンサルタントが増員されたのが最大のポイントです。第2四半期末時点におけるコンサルタント数は、419名となりました。また年間採用計画135名に対し、6月現在における採用数(予定含)は144名となる見込みです。1年で131名という大幅な増員が実現したのは非常にポジティブです。
注目ポイント
同社の収益モデルは、「月単価×コンサルタント数×稼働率」で表され、コンサルタントの人数と稼働率が売上高に影響します。コンサルタント数の増加は、全体の売上基盤を拡大させることになります。稼働率は90%を超えているというので、さらなる増員が必要となってくると思います。
同社の事業環境は非常に良好で、DX需要の拡大をはじめとする社内変革ニーズの高まりが追い風となっています。この追い風は中長期的に堅調推移すると予想されており、同社はその恩恵を大きく享受できる立場にあります。課題はコンサルタントの確保に尽きるので、今期に見られたようなコンサルタント採用の動きはポジティブに評価されます。
こうした事業環境下、同社は2025年までオーガニックグロースを中心に毎期30%以上の成長を目指す、としています。さらには、機会があればM&Aも行うとしており、それ以上の売上成長も想定されるところです。
同社の事業構造は、ほとんどがPMO事業による収益となりますが、PMO事業のほかにも、働き方改革に応えるShared PMOとソフトウェア、企業再編に応えるマネジメントコンサルティング事業、DXに応えるデジタル事業、というように、変革期において発生する多様なニーズに対応できる事業基盤となっています。多角化していることでM&Aの機会も広がっているので、M&Aの実効性は確度が高いかと思います。
そして2021年3月末における財務状況ですが、自己資本比率は59.3%、流動比率も2.76倍。また有利子負債は5億8600万円ありますが、現金等に13億3400万円保有しており、これを考慮すると実質無借金経営となります。財務基盤は盤石です。
同社の収益基盤は、数千~数万人の社員を擁す大企業との直接取引による高いリピート率(96%超)のストック型ビジネスモデルがベースとなっています。この収益の安定性が高いことが健全な財務基盤に繋がっていると思います。
【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。